『マクロス7』(マクロスセブン)は、1994年10月2日から1995年9月24日まで毎日放送をキー局にJNN系(一部の系列局を除く)で放映されたSFアニメ(ロボットアニメ、音楽アニメ)作品。全49話+テレビ未放送話3話[1]。
『超時空要塞マクロス』の続編として11年ぶりに製作されたテレビシリーズ。前作から35年後の世界を描いており、一部のキャラクターも登場するなど、直接的な繋がりを見せる。「歌」「可変戦闘機」「三角関係」という「マクロスシリーズ」における「三本柱」とされる要素は本作でも健在であるが、同時期にリリースされたOVA『マクロスプラス』との差別化を図り、リアリティーよりも奇想天外な面白さを重視したロボットアニメの王道路線が強調された。
本作では歌が特に重要な役目を持っており、音楽アニメ(ミュージカルアニメ)という位置付けもなされる。劇中のロックバンド「Fire Bomber」のCDアルバムとして発売された『LET’S FIRE!!』はオリコン初登場4位を獲得し、1994年日本ゴールドディスク大賞アニメ部門アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、高い評価を得た。
一方で、「口」のついたバトロイドを始めとするキャラクター性を強調したメカニックデザイン、更にシリーズ中盤以降における歌のエネルギー化、巨大怪獣のような敵といった、従来の「マクロスシリーズ」のイメージを覆すかのような作風に対しては、時を経てなお賛否が分かれる。リアルロボット系のメジャータイトルを敢えてスーパーロボット風に脚色するという手法は、放送期間が重なる『機動武闘伝Gガンダム』と共通する部分があり、シリーズの世界観を損ねるという批判と、枠を広げて新たなファン層を開拓したという意見が分かれた点も類似している。
とりわけ「戦闘中に戦わず歌を歌う」という特異な主人公像は放送当初から議論の対象となった。これは『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』のクライマックスにおいて、歌で異星人の心を目覚めさせながら敵軍のボス(ゴルグ・ボドルザー)だけは銃撃で決着をつけたという反省から、スーパーバイザーの河森正治が意識した部分であった。「歌の持つパワーが戦争を超えられるのか」というテーマを体現する主人公を邪道と見るか理解できるかが、作品評価の分岐点となった。
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